ゲロの飛沫がロマンティック

ひとりで喫煙所に居ると、小山薫堂と増田セバスチャンをうろ覚えで攪拌したみたいなおっさん*1が入って来て、いきなり「サンタクロースって信じる?」と聞いて来た。

スマホに手をかけたまま「あ〜、信じてたことないですね。そういう文化なかったんですよ、家が」と応えると、「そうなんだ。でも、今はイルミネーションが綺麗だからいい季節だよね」とおっさんは床に胡座をかいた。

そうですね、と煙を吐くとおっさんは笑顔でこう言った。

「メリークリスマス!」

私は軽く笑って吸い殻を水の中に落とし、「よいお年を」と言って喫煙所を出た。サンタを信じていないから。

 

これね、おっさんが「ランドリー」の頃の窪塚洋介犬童一心あたりが撮ったらいい絵になったと思うんだけど*2、なにせ小山薫堂と増田セバスチャンをうろ覚えで攪拌したみたいなおっさんと現状無職アラサー女の私なのでね、無論クリスマスのちょっぴり不思議な恋とかははじまらねぇし、ついてこられてないか十メートルに一回背後を振り返りながら帰りましたよ。

ちなみにこれ「イケメンならいいんだろ」的な話ではまったくなくて、たとえ顔が整ってようが不審者なのには変わりないし、喫煙所に一人でいる女にウザ絡みしてくんのはやめろ。ペッパーくんじゃねぇのよこちとら。*3一服してる時に何も考えたくないんだよ。無職にメリークリスマスなんかねぇよ。

 

ところで、我が家には本当にサンタさんからのプレゼント配給システムが無く、幼少時から親に直接「何が欲しい?」と聞かれて望んだものが手渡されていたので、「サンタクロース」のことは外国の絵本の中で見る海外の風習であって、七福神のような「季節もののイメージキャラクター」と認識していたので、小学校に上がってから「信じる・信じない」の文脈で語られる存在だったと知って驚きました。

結果、お金を出せば手に入るものにしか興味がない大人に仕上がったけど、サンタのシステムって正直中々にダルい茶番*4だと思うので、これでよかったと思ってます。

 

きらきらしたものが好きなので、イルミネーションとツリーのことは大好き。

冬の高級百貨店には煌びやかなツリーが聳え立っていて、資本主義の香りが立ち込め、無職の心を空虚に、明るく照らしてくれます。

 

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奇妙頂来相模富士

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*1:どちらにも「商売上手なおじさんだなァ」以上の感情はない

*2:この場合の窪塚洋介の正体は「天使」だね

*3:今時分はコロナ対策で喫煙所も定員制だ。クソ狭いブースの中で飛沫飛ばしながら埒も無いコミュニケーション取るくらいなら、本当にペッパーくん一体置いといたらいいんじゃなかろうか。

*4:「夢を与えたい」という親のエゴイズムによって生じる通過儀礼だと考えると、結構グロくないですか?